「ベランダや庭先を取り入れたいけど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない」
「育てやすい種類からチャレンジしてみたい!」
そんなふうに思っていませんか?
多肉植物は、ぷっくり愛らしいフォルムと、比較的手間がかからない育てやすさから、幅広い層に大人気の植物です。
いざ多肉植物専門店やホームセンターに行ってみると、その種類の多さに驚くかもしれません。「エケベリア」「セダム」「ハオルチア」… カタカナの名前が並び、どれも魅力的に見えてしまい、迷ってしまいますよね。
そこでここでは、数千種類以上あると言われる多肉植物の中から、あなたにぴったりの一株を見つけるための完全ガイドをお届けします!
- 初心者でも安心して育てられる、丈夫で育てやすい種類は?
- 見た目のタイプ別(ぷくぷく系、バラ系、宝石系など)の人気種類
- 知っておくと面白い!多肉植物の主な「属」とその特徴
- 購入時に失敗しないための「元気な苗の選び方」
多肉植物の種類の豊富さとその魅力をより深め、唯一無二なお気に入り苗との出会いにむけてみていきましょう。
そもそも多肉植物ってどんな植物?人気の秘密は?

多肉植物とは、葉、茎、または根の内部に水分を蓄えることができる植物の総称です。
砂漠や海岸のような乾燥した地域が原産の種類が多く、その環境に適応するためにぷっくりユニークな姿に進化したと言われています。
- 種類の豊富さとコレクション性
- 幾何学バラのような美しいロゼットを形成する「エケベリア」、宝石のように透き通る「ハオルチア」、動物のようなユニークな形をしたものまで、そのフォルムは多種多様デス。コレクションを始めると止まらなくなるのも頷けます。
- 育てやすさ
- 乾燥に強い性質をもつため、水やりの頻度は少なくて〇。日々忙しい方や、植物を育てるのが初めてという初心者の方でも気軽に始められるのがおおきな魅力です。
- インテリア性が高い
- 小さな鉢でコンパクトに楽しめるため、ちょっとしたスペースに置くだけでおしゃれな空間を演出できます。多肉植物の寄せ植えにすると、オリジナルな特別感が増します。
- 増やしやすい
- 種類にもよりますが、「葉挿し」や「挿し木」で簡単に増やせます。ひとつの苗からどんどん増やしていく楽しみも、多肉植物の醍醐味です。
【超初心者向け】まずはここから!100均でも見つかる育てやすい代表種7選

たくさんの種類があって迷ったら、まずは「丈夫で育てやすい!」といわれる定番の種類から始めてみましょう。
ここで紹介する品種は、100円ショップ(100均)やホームセンターでも手に入りやすいです。多肉植物の入門にぜひ試してみてください。
1. 虹の玉(にじのたま) / セダム属

まるでフルーツのようなつやつや、ぷくぷくの小さな葉が密集したフォルムが可愛らしい「虹の玉」。
とっても丈夫で、落ちた葉からも芽が出るほど生命力が強いところが長所デス。
春秋の生育期には美しい緑色ですが、秋から冬にかけて寒さに当たると、名前の通り真っ赤に紅葉します。季節の変化を楽しめる、初心者人気No.1な品種となっています。
2. 乙女心(おとめごころ) / セダム属
赤ちゃんの指先のような、ぷっくりとした葉の先端がほんのりピンク色に染まる姿が愛らしい「乙女心」。
乙女心も育てやすく、寄せ植えのアクセントとしても非常に人気があります。
虹の玉と同様に、寒くなると紅葉がより一層濃くなり魅力的に。名前が可愛いですよね。
3. 朧月(おぼろづき) / グラプトペタルム属
古くから日本で親しまれている、非常に強健な多肉植物。
肉厚で白っぽい葉が放射状に広がり、朧月もかなり丈夫でどんどん増えるため、地植えグランドカバーや寄せ植えの仕切り直しにも使われます。多少雑に扱っても枯れないほどのタフさが持ち前です。
4. 火祭り(ひまつり) / クラッスラ属
平たい葉が交互に重なり、塔のようにぐんぐん上へ伸びていくクラッスラ属の代表種です。
夏は鮮やかな緑色ですが、冬になると燃えるような真っ赤に紅葉し綺麗です。紅葉による劇的な色の変化は、育てる楽しさをより実感させてもらえます。
5. 月兎耳(つきとじ) / カランコエ属

うさぎの耳のような形と、ふわふわの白い毛に覆われた葉が特徴的な「月兎耳」。
葉の縁に茶色い斑点模様が入るのもチャームポイントです。見た目の可愛らしさから非常に人気が高く、触り心地も楽しめます。
月兎耳も育てやすい種類で、いくつかバリエーション(黒兎耳、星兎耳など)があります。
6. 白牡丹(はくぼたん) / グラプトベリア属
白粉をまとったような淡い葉色が美しい「白牡丹」。
バラの花のように整ったロゼット状の姿は、寄せ植えの主役にもなれる存在感があります。葉挿しで非常に増やしやすく、初心者でも簡単に増やす楽しみを味わえます。
7. オブツーサ / ハオルチア属
葉の先端に「窓」と呼ばれる透明な部分があり、光に透かすとキラキラと輝いて見える宝石のような多肉植物。
直射日光を嫌うため、室内や明るい日陰で育てられるのが大きな特徴です。ぷっくりとしたフォルムと透明感が人気で、癒やしアイテムとしてもおススメ。
【タイプ別】お気に入りが見つかる!多肉植物の種類を徹底解説

育てやすさも大切ですが、やはり「見た目がタイプ!ビビビ」で選ぶのも多肉植物の楽しみ方。あなたの「好みのタイプ」はどの子でしょうか?
1. 王道の「ぷくぷく系」多肉植物
多肉植物と聞いて多くの人がイメージするのが、この「ぷくぷく」とした肉厚な葉を持つ子ではないでしょうか。見ているだけで癒やされる、人気のぷくぷく系をご紹介!!
- 星美人(ほしびじん)・月美人(つきびじん)/ パキフィツム属
- まるで砂糖菓子のように白粉をまとった、丸く肉厚な葉が特徴。その名の通り、美しい姿で人気です。
- ベビーフィンガー / セダム属
- 「乙女心」に似ていますが、より葉が細長く、まさに赤ちゃん指のような姿をしています。
- フーケリー / パキフィツム属
- 肉厚でスプーンのような形の葉が特徴。葉の先端がほんのり色づく姿が可愛らしいです。
2. 美しい「バラ(ロゼット)系」多肉植物
上から見ると、まるでバラの花が咲いているかのように見える「ロゼット状」タイプ。特にエケベリア属に多く、その美しさから「多肉の女王」とも呼ばれ、多肉植物愛好家から群を抜いて人気のあるグループです。
- 桃太郎(ももたろう) / エケベリア属
- 青みがかった葉と、爪先のピンク色が特徴です。名前の可愛らしさと美しいフォルムで不動の人気を誇ります。
- ラウイ / エケベリア属
- まるで彫刻のように真っ白な粉(ブルーム)に覆われたフォルムは、まさに女王の風格そのもの。育てるのはやや難しいですが、多くのタニラー(多肉愛好家)の憧れの的デス。
- チワワエンシス / エケベリア属
- 葉の先端が赤く染まる「赤い爪」がチャームポイント。小型だとより可愛らしく、寄せ植えにも人気です。
- ローラ / エケベリア属
- 淡いピンクから紫色に染まる、ふんわりと優しい雰囲気を持つ人気種。丈夫で育てやすいのも魅力です。
3. 神秘的な「宝石・透明窓系」多肉植物
葉の一部が透き通って、光を取り込む「窓」を持つハオルチア属。その神秘的な美しさは、まるで生きる宝石のようです。
- オブツーサ / ハオルチア属
- 透明窓系の代表格。ぷっくりとした葉の先端がレンズのようになり、光をキラキラと反射させます。
- 玉扇(ぎょくせん) / ハオルチア属
- 葉をスパッと横に切ったような、独特の断面が特徴。その断面に様々な模様が入り、コレクション性の増す人気高い品種です。
- 万象(まんぞう) / ハオルチア属
- 玉扇と同様に、葉の断面を楽しむタイプ。象の足のような、どっしりとした形から名付けられました。高級品種も多く存在。
4. 個性派!「ユニークな形」の多肉植物

「これ、本当に植物?」と驚くような、奇妙で面白い形の多肉植物もたくさんあります。他にはない個性的なインテリアグリーンを探している方におススメなのがこちら。
- リトープス属
- “生きる宝石”や”石ころ”に擬態する不思議な植物。脱皮を繰り返して成長し、秋には可憐な花を咲かせることも。
- コノフィツム属
- リトープスに似ていますが、足袋(たび)のような形やハート型など、より多様な形をしています。こちらも脱皮して成長します。
- グリーンネックレス / セネシオ属
- コロコロとした緑の玉が連なる姿が、まるでネックレスのよう。垂れ下がるタイプなので、ハンギング(吊り鉢)で楽しむのに最適です。
- フォーカリア属(荒波など)
- 葉の縁にトゲトゲとした突起があり、まるでワニの口のよう。ワイルドな見た目が人気です。
5. 季節を楽しむ「紅葉が美しい系」多肉植物
多肉植物の多くは、春秋の「生育期」と、夏冬の「休眠期」があります。特に秋から冬にかけて、寒さと日光に当たることで葉の色が劇的に変化する品種は、育てる楽しみを倍増させてくれます。
- 火祭り / クラッスラ属
- 紅葉の時期の緑から真っ赤への葉の変化は圧巻です。
- オーロラ / セダム属
- 「虹の玉」の斑入り品種。ピンク色に染まるフォルムは、虹の玉よりも淡く優しい雰囲気です。
- 恋心(こいごころ) / セダム属
- 「乙女心」よりも葉が長く、紅葉するとオレンジがかった赤色になります。
- レティジア / セデベリア属
- ツヤのある緑の葉が、冬になると縁から真っ赤に染まります。バラのようなロゼット状の姿も美しいです。
【多肉植物図鑑】知っておきたい主要な「属」と特徴
多肉植物は、同じ「属」の仲間で似た性質を持つことが多いです。代表的な属の特徴を知っておくと、育て方のヒントになったり、好みの種類を見つけやすくなったりします。
属の名称 | 特徴 | 代表的な品種 | 生育型 |
---|---|---|---|
エケベリア属 | バラのようなロゼット状の葉が特徴。「多肉の女王」と呼ばれ、多くの園芸品種が存在。 | 桃太郎 ラウイ チワワエンシス | 春秋型 |
セダム属 | ぷくぷくした葉や小さな葉が特徴。丈夫で繁殖力が強く、地植えにも最適。 | 虹の玉 乙女心 ビアホップ | 春秋型 |
ハオルチア属 | 葉に「窓」を持つ透明なタイプ(軟葉系)と、硬い葉を持つタイプ(硬葉系)がある。 | オブツーサ 玉扇 十二の巻 | 春秋型 |
クラッスラ属 | 形のバリエーションが豊富。上に伸びるもの、横に這うもの、ユニークな形のものまで様々。 | 星の王子 金のなる木 火祭り | 春秋型・冬型 |
カランコエ属 | 花が美しい品種や、葉の形が面白い品種が多い。月兎耳のように毛が生えたものも。 | 月兎耳 不死鳥 ベニベンケイ | 春秋型 |
アエオニウム属 | 茎立ちし、その先端にロゼットをつける。冬に生育する「冬型」の代表格。 | 黒法師 サンバースト 夕映え | 冬型 |
グラプトペタルム属 | 丈夫で育てやすい品種が多い。葉が取れやすく、葉挿しで簡単に増やせる。 | 朧月 ブロンズ姫 秋麗 | 春秋型 |
パキフィツム属 | 白粉をまとった肉厚で丸みのある葉が特徴。「美人シリーズ」が有名。 | 星美人 月美人 フーケリー | 春秋型 |
リトープス属 | 石に擬態する不思議な植物。年に1回脱皮して大きくなる。 | 様々な品種がある | 冬型 |
セネシオ属 | グリーンネックレスのように、下に垂れ下がる品種が人気。 | グリーンネックレス ルビーネックレス | 春秋型 |
コチレドン属 | 肉厚な葉を持つ品種が多い。熊の手のような「熊童子」が特に有名。 | 熊童子 子猫の爪 ふっくら娘 | 冬型 |
春秋型: 春と秋に成長する。日本の気候に合い、育てやすい品種が多い。
夏型: 夏に成長する。アガベやアロエなど。
冬型: 冬に成長する。アエオニウムやリトープスなど。
失敗しない!元気な多肉植物の苗の選び方

お気に入りの種類を見つけたら、いよいよ購入です。長く元気に育てるために、以下のポイントをチェックして健康な苗を選びましょう。
- 葉をチェック!
- 葉にハリと厚みがある?(シワシワなのは水不足のサイン)
- 葉の色が鮮やか?
- 葉や茎に傷、黒い斑点、白い綿のようなもの(カイガラムシ)が付いていないか?
- 株元をチェック!
- 株元がグラつくことなく根付いているだろうか?(根がしっかり張っている証拠)
- 茎が徒長(ひょろひょろと間延び)していない?
- 全体のバランスをチェック!
- 葉がぎゅっと詰まっていて、形が整っている?
特に、徒長している苗は日光不足で育った可能性があり、購入後に形を整えるのが難しい場合があります。できるだけ、徒長していなくてキュッと締まった株を選ぶのがおススメです。
奥深い多肉植物の世界をご紹介してきました
いかがでしたか?ここでは、星の数ほどある多肉植物の中から、人気の種類や代表的な属、そして選び方のポイントまでをご紹介してきました。
- 初心者さんはまず「虹の玉」や「朧月」など、丈夫な種類から
- 好みに合わせて「ぷくぷく系」「ロゼット系」などから選ぶのも楽しい
- 「属」の特徴を知ると、育て方のヒントとなる
- 購入時は、葉や株元の状態をしっかりチェックする
今回ご紹介できたのは、多肉植物の魅力のほんの一部にすぎません。一つの苗を育てるうちに、その変化に愛着が湧き、気づけば新しい種類を探しているwそれが多肉植物の魅せる不思議な力なんです。
ぜひ、ここでのご紹介を参考に、あなたの生活に彩りを与えてくれるビビビな苗を見つけてみてください。そして、水やりや葉挿し、寄せ植えなどを通しよりより多肉植物の沼にずぶずぶと存分に楽しんでみてください。