最近、雑貨屋さんや園芸店、はたまた100円ショップでも見かけることが増えた「多肉植物」。そのユニークな見た目や、どこか控えめながらも存在感を放つ佇まいに、「あ、可愛いな」と気になっている方も多いのではないでしょうか?
でも、「植物を育てるのは苦手…」「枯らしちゃいそう…」と、なかなか一歩を踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。
実は、多肉植物はまさに「初心者さんにおすすめ」な植物なんです!
今回は、そんな多肉植物の尽きない魅力と、誰でも始められる簡単な育て方のご紹介したいと思います。
多肉植物のある暮らしをみていきます。
ぷにぷに、むちむち…多肉植物ってどんな植物?

まず、「多肉植物」とは一体どんな植物なのでしょうか?簡単に言うと、葉や茎、根に水分をたっぷり蓄えられるように進化した植物のことです。
乾燥した砂漠や高山のような、雨が少なく過酷な環境でも生き抜けるよう、葉に水分を貯め込む能力を持っているんですね。
だからこそ、多肉植物の多くは、葉がぷっくりと厚かったり、茎がむっちりしていたり、独特な形をしています。
この「ぷにぷに」「むちむち」とした触り心地や見た目が、多肉植物最大の魅力の一つであり、癒やされポイントです。
世界には2万種類以上もの多肉植物があると言われており、その姿形は本当に多種多様!星の形をしたようなエケベリア、葉っぱが重なり合うハオルチア、まるで石ころみたいなリトープス、つる性のセダムなど、見れば見るほどその種類の多さに驚かされます。
色も、グリーンだけでなく、赤、ピンク、紫、白っぽいものまであり、秋には紅葉して色が変わる品種もあります。コレクション性が高いのも頷けます。

なぜ多肉植物は初心者におすすめなの?

植物を育てるのが初めて、あるいは過去に植物をダメにしてしまった経験があるという方に、多肉植物をおすすめしたい理由がいくつかあります。
- 水やりが頻繁でなくてOK!
これは最大のポイントかもしれません。多肉植物は葉に水分を貯めているので、毎日の水やりは基本的に必要ありません。むしろ、水のあげすぎは根腐れの原因となり、ダメにしてしまう一番の理由になります。土が完全に乾いてから水をあげる、というサイクルなので、旅行などで家を数日空けるくらいなら問題ありません。忙しい方や、つい水やりを忘れてしまう方にはぴったりです。 - 日当たりさえ確保できれば比較的丈夫
適切な日光と風通しがあれば、病害虫にも比較的強く、元気に育ってくれます。(もちろん種類にもよりますが)。日本の気候にも合う品種が多く、ベランダや窓辺で育てやすいのが特徴です。 - 小さなスペースで楽しめる
多肉植物は小さめの鉢で気軽に始められます。場所を取らずにグリーンを楽しめます。いくつか並べて飾ると、それだけで可愛い癒しのコーナーが完成しますよ。 - 成長の変化が楽しい!
ゆっくりではありますが、新しい葉が出てきたり、少しずつ大きくなったり、種類によっては紅葉したりとお迎えした時からの変化を楽しむことができます。一つ一つの成長を見守るのが、多肉植物栽培の醍醐味です。
もちろん、「絶対に枯れない!」というわけではありません。どんな植物にも言えますが、育てる上でいくつか基本的なポイントを押さえる必要はあります。でも、そのポイントさえクリアすれば、可愛らしいフォルムをながく維持していられます。
多肉植物と始めるグリーンライフ!最初のステップ

「よし、多肉植物をお迎えしてみよう!」そう思ったら、まずは何から始めれば良いでしょうか?
ステップ1:お気に入りの一鉢を見つけよう
まずは、見た目が「可愛い!」と感じる多肉植物を一つか二つ選んでみましょう。最初は、比較的丈夫で育てやすいと言われる種類がおすすめです。
- エケベリア
- バラのようなロゼット型が人気。種類が豊富です。
- セダム
- ぷつぷつした葉が可愛い、つる性のものやモリモリ増えるものも。日本の気候にも合いやすい種類が多いです。
- ハオルチア
- 窓のような透明な葉を持つものや、硬い葉を持つものなどユニークな姿が多いです。直射日光が苦手な種類が多いので室内向けにも。
- グラプトペタルム
- 葉がポロリと取れやすいですが、その葉から簡単に増やすことができます。
園芸店やホームセンターだけでなく、最近では100円ショップでも手軽に購入できます。
最初のひとつは、気軽に100円ショップから始めてみるのも良いかもしれませんね。お店で見る時は、葉がしっかりしていて、グラグラしていないもの、害虫がついていないものを選ぶと安心です。
ステップ2:鉢と土を準備しよう

多肉植物を元気に育てるには、水はけの良い土と、底に穴が開いている鉢が必須です。
- 鉢
- 素焼き鉢やプラスチック鉢など、様々な素材がありますが、必ず底穴があるものを選びましょう。サイズは、苗より一回り大きいくらいが目安です。デザインで選んでもOK!
- 土
- 多肉植物専用の培養土が売られています。鹿沼土や赤玉土などが配合されており、水はけが良くなるように調整されています。自分で配合することもできますが、最初は市販の多肉植物専用の土を使うのが手軽でおすすめです。
お店で多肉植物を買うと、黒いビニールポットに入っていることが多いですが、これは一時的なものです。お気に入りの鉢に植え替えてあげましょう。
ステップ3:植え替えをしよう
買ってきた苗を、準備した鉢と土に植え替えます。根を少しほぐしてから、新しい土に植え付けます。この時、根を傷つけすぎないように優しく扱いましょう。
多肉植物を元気に育てるための「これだけは押さえたい」基本のケア

さて、ここからは日々の管理で大切なポイントです。難しいことはありません、この3つを覚えておけば大丈夫!
日光:「日光浴が大好き!」を忘れずに
多肉植物の多くは、お日様の光が大好きです。できるだけ日当たりの良い場所に置いてあげましょう。日光が不足すると、茎が間延びしてひょろひょろになってしまう「徒長(とちょう)」という状態になります。こうなると元の可愛い姿に戻すのは難しいです。
ただし、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になることもあるので、種類によっては半日陰に移したり、遮光ネットを使ったりといった工夫が必要な場合もあります。
基本は「日当たり良く、風通しの良い場所」です。明るい場所を選んであげましょう。
水やり:「あげすぎ注意!土が完全に乾いてからたっぷり」
最も重要なポイントです。多肉植物を枯らす原因のほとんどは、水のやりすぎによる根腐れです。土がいつも湿っている状態はNG!
水やりのタイミングは、「土が完全に乾いてから、鉢底から水が出るまでたっぷり」が基本です。土が乾いているかどうかは、指で触ってみたり、割り箸などを土に刺してみて湿り気がないか確認したりします。
季節によって水やりの頻度は変わります。種類によって異なりますが、生育期(春と秋)は比較的よく水を吸いますが、休眠期(夏と冬)は水やりを控えるか、断水気味に管理します。特に冬は、月に1回程度で十分なことも多いです。
「いつ水やりをすればいいか分からない…」という場合は、「ちょっと控えめかな?」と思うくらいでちょうど良いことが多いです。迷ったら、水やりを一日見送るくらいの気持ちで大丈夫です。多肉植物は少々の乾燥には耐えられますから。
日々のタニパトで、少しずつこの子はそろそろお水を欲しているななど、顔色を見て判断できるようになります。
風通し:「じめじめは苦手」
多肉植物は、じめじめした環境がとても苦手です。風通しの良い場所に置いてあげましょう。
風通しが悪いと、蒸れて根腐れしてしまったり、病害虫が発生しやすくなったりします。

これから広がる多肉植物の世界

最初のひとつをお迎えして、基本的なお世話に慣れてきたら、多肉植物の世界はさらに広がります。
- 植え替えや鉢選びを楽しもう
- 多肉植物の成長に合わせて、鉢増し(より大きな鉢に植え替えること)が必要になります。また、多肉植物の種類や色に合わせて鉢を選ぶのも楽しい時間です。
- 自分だけの寄せ植えを作ろう
- いくつか種類の違う多肉植物を一つの鉢に寄せ植えすると、小さな箱庭のようでとても可愛らしいです。色の組み合わせや配置を考えるのも楽しい作業です。
- 増やしてみよう
- 多肉植物は「葉挿し」や「挿し芽」で比較的簡単に増やすことができる種類が多いです。ポロリと取れた葉や、葉を取り除いた茎から、可愛い芽が出てくるのを見るのは癒されます。
多肉植物を育ててみよう

多肉植物を育てるときは、ざっくりでも育つから大丈夫!な心持ちでOKです。植物なので、環境や季節によって調子を崩すこともあります。葉っぱが少し変色したり、下葉が枯れてきたりするのは自然なことでもあります。
多肉植物は、私たちのペースに合わせてゆっくりと寄り添ってくれる、そんな植物です。忙しい日々のちょっとした癒やしに、多肉植物の喜ぶ場所に置かれた可愛い姿に、きっと心が和むはずです。
ぷにぷに癒やし系の多肉植物と一緒に、楽しいグリーンライフを。
この時期は、多肉植物イベントが沢山開催されています。多肉狩りへ出かけてお気に入りの多肉植物に出会える瞬間を楽しんでみましょう。
